「若い方にも、手にとって紅型を知ってほしい」
その思いが感じられる吉田さんの作品は、洋服などにもマッチする、ポップなデザインが小物に多い。
伝統的な模様の着物や帯、日傘なども作品に多く、経験から古典的な柄や手法もしっかりと押さえており、世代により選べるデザインと作品を提供しているのが、吉田さんの持ち味でもあります。
紅型にたずさわり約20年。
瀬底島で文化を紡ぎ継承する『べにきち』
Vol.5



『べにきち』は、“紅型”と苗字の“吉田”から一文字ずつ取ってつけてネーミングされた名前。
『べにきち』を一人で営む吉田誠子さんは、兵庫県のご出身で、紅型職人を志し約20年前に来沖、沖縄県立芸術大学で染色を学び、現在に至ります。

吉田さんは、紅型だけでなく、“注染(ちゅうせん)”という技法でも染色を行う、小物なども扱っています。
伝統技法のひとつで、染料が裏面まで浸透しているので、表裏がわからない程きれいに仕上がります。
写真の“てぬぐい”は、注染で作られたもの。
反物などひとつのものに約1ヶ月かかるという吉田さんの作品は、丁寧に仕上げられたもので、色が豊富に使われ、優しい色合いが特徴。
吉田さんの熟練された技術は、多くの方や展覧会なので高く評価を得ています。

瀬底島のフクギ並木が並ぶ、一角に馴染むように建つ木造の赤瓦屋根が『べにきち』さんの工房兼ギャラリー。
『べにきち』さんの活動拠点は、沖縄本島北部に位置する本部町にあります。
設計計画時の提案のなかで、後々一番しっくりきたのが、木造住宅だったと言う。
「当初は、沖縄は台風が多いから鉄筋コンクリート構造が良いだろうとの認識で、木造は全く検討していなかったんです。何度か打合せしているうちに、こっそりと木造住宅の模型が置かれていて、いつしか木造も良いなと思い決めました。」
瀬底のフクギ並木と、風通しや肌触りのよい滑らかな木の雰囲気が、『べにきち』にぴったりと合います。

計画時イメージスケッチ

「これはね、台風の後だったか、子供が拾ってきたの」と指したのは、メジロの巣。
『べにきち』の看板のようにある小さなフォトスタンドの前に、かわいらしく置いててありました。
現在は育児休暇でギャラリーはお休中の『べにきち』さん。
作品の発注などのお問い合わせはメールで受けており、ギャラリー開館の日程もWEBサイトなどで告知を行う予定とのこと。
ご興味のある方は、ぜひぜひチェックされてみてください。
※べにきちさんは、クロポン(クロトンクーポン)が利用できる店舗となります。
本部町瀬底94
TEL:0980-47-4451
営業時間:11:00~17:00(現在、産後育休中です)
定休日:月、火、水、日曜日

